工作機械に大切なのは、精度や機能性だけではありません。機械は一度生産ラインに入ってしまえば休む暇はなく、ピーク時には24時間何日間も続けざまに稼動することが当たり前です。だからこそ、過酷な使用環境の中でも使い続けられることが重要だと当社は考えております。 高品質な工作機械は一度導入すれば長期間活用できるもの。当社の場合は、30〜40年前に製造した製品が現役で活躍しているということも珍しくなく、多くのお客様からお喜びの声をいただいております。
工作機械の価値とは、その生産性にあるのであり、故障することなく生産し続ける能力を持っていることが大切なのです。
当社の大きな強みは、機械の構成部品の多くを自社内で製造しているということです。目の届く範囲で、製品や部品の品質管理が行えるため、自信を持って製品を世に送り出すことができる品質保証体制を確立しています。
おかげさまで、当社の納入先には日本国内の大手自動車メーカーをはじめ、国内外の一流企業がズラリと並んでいます。この実績は、これまで様々な企業の厳しい品質基準をクリアし、当社の製品が、お客様の確かな生産性を保持してきたからであると考えております。
お客様のものづくりの思想とニーズは時代と共に多様化し複雑化しています。その企業ならではの思想とニーズに可能な限り寄り添い要望に応える。それこそが今、工作機械メーカーに求められていることです。
当社には、100年を超える年月の間に培った経験と技術があり、お客様の特性・使い方を徹底的に理解し、お客様がより必要とする仕様に特化したカスタマイズをご提案することも可能です。当社ならではの技術力を駆使し、様々なご希望にお応えいたします。
お客様の高度なご要望にお応えし続け、技術を高めてきた当社が生み出す製品は、今や世界のどこに出しても恥ずかしくないものになったと自負しております。
これまでは国内を中心に事業を展開してきた当社ですが、近年では海外(特にアジア地域)展開にも積極的で、現地特有のニーズにも対応しております。例えば、現地の製造環境に合わせて周辺装置を工夫したり、製品納入後のフォロー体制を整えたりするといったことがそうです。
製品納入後は定期的なメンテナンスや、必要に応じて加工の方法をレクチャーするなど、さまざまなフォローが必要となりますが、こうした業務を円滑に進められるよう現地スタッフの育成にも力を注いでいます。日本の大学を出た現地出身の人材を社員として採用し、日本国内での研修を経た後、現地スタッフとして配置する計画を進めています。
工作機械とは「ものづくり」を支えるマザーマシンであり、その工作機械を作り出すためには多くの職人の技や技術者の知識が必要です。当社では「ものづくり」を支えるために、「ものづくり」を一から学んでもらうことで、業界を牽引できるような人材育成を目指しています。
ホブ盤は工作機械の中でも特殊かつ必要不可欠な存在であり、生産には歯切り専門の知識や1μmの精度をコントロールする技能が必要です。当社では、それらを有する社内講師やOBが就業時間内で定期的に講義を行い、常に技術力の向上を目指しています。
近年では、若い社員も増え、技術力の継承がより一層重要となってきました。そのため、熟練の先輩から技や知識をすばやく吸収し、成長できる教育体制の改革や積極的に学び自己研鑚を促せる職場の環境作りに、尽力を注いでいます。これからも社員ひとりひとりを大切にし、企業人として一流になれる支援を惜しまない所存です。
当社は2013年2月に創業100周年を迎えました。創業者である私の祖父・樫藤留三郎が1913年、京都市下京区壬生朱雀町に合資会社樫藤鐵工所を創業し、ボール盤、染色機、木工機の製造、販売を開始したのが当社の発祥です。
その後1918年に国産初のホブ盤を完成させ、祖父の後、私の父・樫藤誠一がホブ盤専業メーカーとしての礎を築き、歩みを進めてまいりました。品質にこだわり、いつまでも使っていただける製品作りに取り組み続けることで、現在では、日本国内のホブ盤製造においてトップシェアを占めるに至っております。
当社が100周年を迎えられたのは、永年にわたり当社をご支援いただきましたお客様をはじめ、金融機関、協力会社など皆様のご愛顧の賜物です。次の100年もしっかりと技術の継承を行い、高品質な製品の製造を続けていく所存ですので、これまでと変わらぬご愛顧、ご支援の程よろしくお願い申し上げます。
カシフジは日本国内では認知度も高く長い歴史を誇っていますが、海外においてはまだまだこれからです。今後、日本国内はもちろん、海外においても国内と同等のサービスを提供できるよう、さらなる企業努力を続けて参ります。皆様のご指導とご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
![樫藤達郎](_images/sign.gif)